こんにちは、ニュージーランド在住のManaです。
【SDGS】Sustainable Develop Goals (持続可能な開発目標)で、国連で決められた国際社会共通の目標に関わるちょっと真面目なお話です。
私の旦那さん(南アフリカ人)は、セカンドハンドショップ(中古屋さん)が大好きで、
行きつけの店は、Salvation Army とRed Crossです。
週2回は足を運び、掘り出し物を探します。
今回はRed Crossで、不思議なバッグを見つけてきました。
その名も、ワンダーバッグ(WonderBag.)ベタな名前。笑
タグも付いたままの新品。
巨大かぼちゃみたいな可愛いルックスで、
ビーンズバッグのような小さな粒々が入っています。
一体、これで何をするんだろう?
旦那さんも、はじめ何に使うか分からなかったのですが、
タグには、Zulu語(ズールー=アフリカの民族語)、アフリカーンス語(南アフリカ語)、英語の3言語が書かれていたので、興味が湧いたそうです。
調べているうちに、地球にも女性にも優しい、超エコフレンドリーな調理器具(バッグ)である事が分かりました。
今日は、そのワンダーバッグの魅力を紹介します。
※ アフリカの話ですが、食料不足ではなく食料はある前提で書いています。
ワンダーバッグの背景には、インフラが関係してる?!
ワンダーバッグを発明したのは、南アフリカ人女性で、きっかけは「停電」なんだそうです。
日本でもニュージーランドでも、台風などの自然災害がない限り、まず停電になることありませんよね。
現代人にとって、停電になると、スマホが充電できない、インターネットが使えない、お湯が沸かせない、冷蔵庫の中のものが腐る、シャワーでお湯がでないなど、困る事がたくさんありますが何とか生きてはいかれます。
先進国だろうが、発展途上国だろうが、
人間として、いちばん致命的なのは、「食べられない=停電で調理できない」ことです。
私の旦那さんは、南アフリカのポートエリザベスという都会出身で、高層ビルがありビジネスや商業も盛んなエリアです。
にも関わらず、いまだに週に数回、停電があると言います。
計画停電だったり、予期せぬ停電もあるのだとか。
ワンダーバッグも、もともとは停電で調理ができない、調理が中断される事に着目して生み出されたアイディアですが、
のちに、インフラが整っていない貧困エリアで使う事で、人々の生活向上や、二酸化炭素の削減など、相乗効果があることが世界で認められました。
貧困エリアの女性の強い味方(女性に優しい)
アフリカの貧困エリアでは、ガスや電気のインフラが整っておらず、焚き火(火を燃やす)で調理をするため、女性にかかる家事の負担が大きいのが現状です。「食」のために、女性たちの時間が犠牲になっているのです。
とは言っても、現代社会に住む私たちには、どれだけ大変なのか想像できないので、ワンダーバッグを使う事によって、どれだけ女性にメリットがあるのか、具体的に調べてみました。
ワンダーバッグが女性にもたらすメリット
- 薪(焚き木)を拾う時間(年間1300時間)が減り、勉強する時間ができる
- 調理に費やす時間が減り、仕事する時間できる
- 焚き火の煙を吸ってしまう時間が減るので、健康面が改善する(回復)
- 食べ物の選択肢(肉、豆、野菜など)が広がり、健康管理できる(病気が減る)
- ワンダーバッグを作る雇用の機会が増える(貧困エリアの人々の収入が10倍)
- 調理用の燃料や炭を70%カットできるので、燃料費を貯金できる
- 作った食べ物を販売するビジネスが始められる(起業)
焚き火を100パーセント無くすことはできませんが、焚き火での調理時間を短く済ませ、ワンダーバッグで熱をキープすることで低温調理の効果があります。
シンプルなワンダーバッグですが、こんなにも人々の生活に変化を与え、生活レベルが向上するなんて驚きです。
家事の負担を軽減するだけでなく、いいこと尽くめですね。
参考:ウェブサイト
https://www.wonderbagworld.com
どれぐらい地球に優しい?
- 年間2トンの二酸化炭素の削減(調理のための焚き火)
- 森林の伐採を削減
あれ?大したことないじゃん
と思われたかもしれませんが、人々へもたらす恩恵は計り知れません。
アフリカは先進国と異なり人口が倍増の道をたどっていますので、この小さな積み重ねが地球を大きくチェンジできるかも知れませんね。
話が長くなってしまって、すいません。
普段なかなかアフリカのことを人に伝えるチャンスがないので、熱くなってしまいました。
ワンダーバッグの使い方
使い方は至って簡単。
一旦、火にかけた料理に蓋をして、鍋のままワンダーバッグに入れます。
汁がたれても大丈夫なように、私はタオルを敷いています。
ワンダーバッグのカバーをして、4〜7時間放置。
途中、一切、開けて様子をみることはできません。温度が下がってしまうので。
ポリスチレンビーンズ(発泡スチロールの粒つぶ)のおかげで、7時間後でもお鍋はまだ温かいです。
長時間保温され、お肉も野菜も柔らかくなります。お鍋でコトコト長時間煮るのと同じ感じです。
ワンダーバッグで、チキンカレー
食材、調味料、ソースを鍋に入れ、火にかけます。
ソースは、今回はココナッツミルクにしましたが、トマト缶、コンソメスープもよく使います。
チキンの場合、15分の調理時間で、4〜5時間放置が目安。
ビーフ、ラム、ポークは、20分の調理時間で、6〜7時間放置が目安。
ラム・ネック・チョップも、調理してみました。
スロークッカーで調理したかのように、お箸でお肉がほぐれるくらい、柔らかいお肉に変身しました。
安くて固いお肉を柔らかく調理してくれます。
電気を使わないスロークッカーと言っても過言ではありません!
私は、肉系でも、プラントベース系でも、スロークッカーのヘビーユーザーですが、ワンダーバッグには新しい発見がありました。
余談
ニュージーランドにお住いの方はスロークッカーをご存知かと思いますが、日本にお住いの方はあまり馴染みがないかも知れません。
煮込み料理を簡単にしてくれる電気鍋のことです。しかも調理器具が安い!
ここから、どんな料理が作れるのかチェックできます。(広告含)興味があれば、どうぞ。
最後に
ワンダーバッグのウェブサイトに、いろいろレシピが載っています。
お肉、野菜、スープ、リゾットなどのご飯物、ラザニア、デザートなどが作れます。
とてもシンプルなアイディアのワンダーバッグですが、
自然環境保護や、人々に与える良い影響は、想像を超えました。
エコロジーのために、週2回ぐらい使ってみようかと検討中。
それで電気料金節約できちゃうなんて、一石二鳥ですよね。
南アフリカ発のワンダーバッグは、南アフリカを始め、アメリカやイギリスで注目を集めていて、徐々に販売国も増えているようです。
ニュージーランドではまだ販売されていませんが、オンラインでお隣オーストラリアに注文できます。
KIWIたち(ニュージーランド人)も、エコプロダクツが好きなので、近い将来、ニュージーランドでも見かけるようになるかも知れませんね。
それではまた。