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【NZ在住者必見】もしもの時にKiwiSaverは頼れるか?早期引き出し条件の【まとめ】と、今NZで起きている議論

 

こんにちは、ニュージーランド在住のManaです。

 

ニュージーランドには、KiwiSaver(キウイセーバー) という、政府主導の「個人向け積立年金制度」があります。

 

給与からの自動控除(3〜10%)、雇用主の負担金、政府からの補助金を組み合わせて運用され、65歳以降に引き出し可能です。

 

例外として、65歳未満でも、引き出しが認められる 早期引き出し(Early Withdrawal)の条件がいくつか設定されています。

 

先月、知人の娘さんが初めて家を購入し、KiwiSaver(キウイセーバー)から、住宅購入の頭金を引き出していました。

 

手続きには10日間かかったという話を聞いて、例え時間がかかっても、必要な時に引き出せるのは良心的だなと思っていました。

 

ところが、今日は朝から、KiwiSaver の理不尽でショックなニュースを見つけてしまいました。

 

65歳未満のある男性が、末期がん(ステージ4)の為、早期引き出しをしようとしたところ、「余命が数年ある」ため、申し出を却下されたというのです。

⬇️のリンクはRNZの記事

www.rnz.co.nz

自分の貯蓄なのに。。。

自分の生きられる時間が限られているのに。。。

 

どんなケースなら早期引き出し(Early Withdrawal)出来るのか、改めて調べてみましたので、NZ在住の方々にシェアしたいと思います。

 

KiwiSaver の早期引き出し(Early Withdrawal)の条件

1. 重病(Serious Illness)

以下のいずれかに該当する場合、全額(または一部)の引き出しが可能です。

  • 余命が短い場合: 法律上は「死の危険が差し迫っている(imminent risk of death)」と判断される必要があります。一般的には余命12ヶ月〜18ヶ月以内と診断されることが基準となります。(記事の男性が直面してる問題)

  • 永続的な就労不能: 病気や怪我により、今後一切仕事ができなくなった場合。

  • 深刻かつ永続的な障害: 日常生活に重大な支障をきたす場合。

末期がん(ステージ4)であっても「余命が数年ある」と判断されると、この基準を満たさないとして却下されるケースがあり、それが大きな問題となっています。

2. 深刻な経済的困難(Significant Financial Hardship)

生活の維持が困難な場合、一部(政府からの補助金等を除く自己拠出分など)を引き出せることがあります。ただし、審査は非常に厳格。

  • 最低限の生活費(家賃、食費、光熱費など)が払えない。

  • 住宅ローンの返済ができず、家を失う可能性がある。

  • 家族の葬儀費用が必要。

  • 自宅をバリアフリー化するための費用が必要(自身や扶養家族の障害のため)。

3. 初めての住宅購入(First Home Withdrawal)

  • KiwiSaverに3年以上加入している場合、住宅購入の頭金として引き出すことができます。(政府補助金以外)(知人の娘さんのケース)

4. 海外への永久移住(Permanent Emigration)

  • オーストラリア以外の国へ永久に移住してから1年が経過した場合、引き出し可能。(AUSの場合は、現地の年金制度 Superannuation へ資金を移すことになります)

5. 法律に基づく命令など

  • 離婚時の財産分与や、裁判所の命令がある場合。

 

定義だけでなく、人道的な観点が必要

記事にあるような末期がん患者が数年単位の余命がある場合残された時間を家族と過ごすために自分のお金を使いたいと思っても、現在の法律(余命12〜18ヶ月ルールなど)が壁となり、死の直前まで働き続けなければならないという矛盾が生じています。

 

このような事例がメディアで大きく取り上げられることで、「法律の解釈を柔軟にする」、あるいは「余命基準を緩和する」ためのロビー活動や政治的圧力は確実に強まっています。

 

最後に

「公平性」を重んじるニュージーランドで、これほど不公平なことがあっていいはずがありません。

 

「自分のお金なのに、使いたい時に使えない」

 

知人の娘さんの明るいニュースの裏で、このような厳しい現実に直面している人がいることに胸が痛みます。

 

KiwiSaverが単なる「貯蓄」ではなく、人生のどんなステージにおいても「安心」を支えてくれる存在であってほしいですね。

 

今回の件が、ガイドライン見直しの大きな一歩になることを信じて、今後の動きを注視していきたいと思います。

 

それではまた。